CDNIMだけがArmafではない
Armafと聞いて思い浮かべるのは、十中八九Club de Nuit Intense Manだろう。あまりにCDNIMが有名すぎて、Armafの他のラインナップが霞んでいる。もったいない話だ。
Club de Nuit Urban Man Elixir。CDNシリーズの一員でありながら、CDNIMとはまったく別の方向を向いている。フルーティスモーキーのCDNIMに対して、こちらはスウィートアイリスとレザー。優しく甘く、どこか色気がある。
香りの構造
トップ:ラベンダー、ベルガモット、カルダモン
ミドル:アイリス、アンバー、ココア
ベース:レザー、バニラ、サンダルウッド
トップはラベンダーとカルダモンの穏やかなスパイシーさ。ここまでは特別な驚きはない。変わるのはミドルからだ。アイリスのパウダリーな甘さが広がり、ココアの苦みがアクセントを加える。アイリスとココア。この組み合わせが作る「上品な甘さ」は独特で、ベースのレザーとバニラがそれを大人っぽく着地させる。
Dior Homme Intenseを嗅いだことがある人なら、方向性がわかるはずだ。パウダリーなアイリスを軸にした甘くセクシーな香り。
Dior Homme Intenseとの距離感
似ているか。似ている部分はある。アイリスの使い方、全体の甘さのトーン、レザーの底支え。ただ、Dior Homme IntenseにはUrban Elixirにないカカオの洗練された苦みがあるし、Urban Elixirのほうがバニラが前に出ていて、全体的にウォーム。
Dior Homme Intenseが「黒いタートルネック」だとすると、Urban Elixirは「カシミアのセーター」。方向性は似ているが、温度感が違う。Dior Homme Intenseとの価格差を考えれば、似た系統の香りを気軽に探索できる。
使いどころ
秋冬のデートにはかなり強い。甘くて色気があって、でも下品ではない。そのバランスはCDNIMにはない持ち味だ。CDNIMは「デキる男」の香り。Urban Elixirは「余裕のある男」の香り。同じブランドの同じシリーズなのに、印象がここまで違う。
持続は8時間前後。拡散力は控えめで、肌の近くでふわっと香るタイプ。2〜3プッシュでちょうどいい。近距離で効く香りだから、デートにはむしろ都合がいい。
オフィスはやや微妙。甘さが強めなので、密室会議では気になるかもしれない。休日向きだと思う。
なぜ隠れた名作なのか
CDNIMの圧倒的な知名度の陰で、Urban Elixirはレビューも少なく、注目度が低い。でも実際に嗅いでみると「なぜこれがもっと話題にならないのか」と首をかしげる品質。パウダリーアイリス系の香りを手頃な価格で探しているなら、選択肢はほとんどない。Urban Elixirはその数少ない一つだ。
CDNIMを買った後に「次のArmaf」を探している人にこそ試してほしい。全く違う引き出しが開く。